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2006.05.02

片手中華鍋の手入れ

 三宮の調理器具屋で聞いたことを実践した。ガビガビになってしまっていたのでなんとかしてよごれを取ってやろうと金属たわしでこすったりしたのだがきれいにならなかった片手中華鍋を焼いたのだ。新品の中華鍋を、なんというのか、スモーキング=パイプでいう break-in、車の試運転のことでもあるそうだが、ブレークインするときのやりかたを再度やったのだ。

 ブレークインのやりかたは、ひとり住まいを始めたときに、もとフランス料理店のオーナーだったという、三宮にあるスナックという語のついた呑み屋のチーフに聞いて、そのとおり実践したのだったが、調理器具屋のにいちゃんによれば、それはまちがった方法だということだ。その方法とは、油をみたして弱火で長時間コンロにかけておく、というものだった。実践しているとき、途中で炎があがった。そのときオレさま少しも騒がず、台所には大抵おいている中性洗剤をとりあげ、鍋にむかって絞りとばしたのだった。界面活性剤が油の表面に広がったらすぐに炎はおさまった。ただ、におい*1がすさまじかった。隣家の主婦がドアのノッカーをカンカンと叩いた。火事ではないのかといぶかってやってきたのであった。

 まずはカラ焼き。ボロボロとなにかが落ちてくる。鍋をまわしながら全面を焼いてゆく。鍋の全面が白くなった。しばらく焼いてから、油を塗りつけて焼く。塗っては焼く、塗っては焼く、を繰りかえした。鍋の周辺部が黒くなった。しかし、中央部は黒くならない。油の不純物なのか、黒いものが鍋底にできている。布でそれらを払い落とし、油を塗り、焼いた。なぜだ。なぜ黒くなった。疑問は疑問として、油を塗っては焼く、黒いものを払い落とす、をくりかえした。

 塗っては焼き、黒いものを払い落とし、塗っては焼く。そのうち、火がはしった。前回の経験があるので洗剤は使わない。アルミ製の鍋ぶたをかぶせて酸素を遮断したのだ。鍋の表面を布でふいて、油を塗り、またコンロにかけた。

 塗っては焼きを繰りかえしているとき、ふと、鍋をかたむけて焼いてみた。すると、その部分が白くなり、黒いものができていた。してみると、あの黒いものは油の焼けカスか。家庭用コンロは小さいから、鍋の周辺部にまで熱が充分には伝わっていないのだろう。

 中華鍋の周辺部がカピカピになったのは火力の関係であったのだろう。高カロリーコンロでも不足なのだ。今後の手入れをどうするか、考えておく必要がある。

*1 くさいにおいなので“臭い”と書いたのだが“くさい”と読まれそうなので仮名にした。

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